今日、子供や高齢者・障がい者等の、養育や支援を必要とする方へ、介護保険法や障害者総合支援法などに代表するように、新たな社会福祉制度の充実が広がってきています。しかし同時に、社会福祉制度を以てしても人としての尊厳が十分に満たされず、人権侵害や虐待、社会的孤立などの現状が多々見られます。そしてそのような状態においても、養育や支援を受けている方々の中には、心の訴えを受けとめてもらうことを諦め、何も言えず、自己否定の中で生きている方々もいます。

そのような中で我々は、生きるために必要な衣・食・住・生活支援とともに、「一人の人間として、またかけがえのない存在としての支援」が重要と感じています。

我々は、平成26年より「自己表現が困難な障害を持つ方の心の支援方法」を、社会福祉関係者や障がいを持つご家族へ、伝達してきました。また、実際にカウンセリングという形で、障がい者の方々へサービスを提供してきました。その中で、「他者の援助が必要な方でも、心を支援することでこんなに生き生きと自己表現をし、自分の未来へ前向きに生きていける自信が生まれる。また、自己肯定感が高まることによって、本来持っていた能力が存分に発揮される。」という事実を体験してきました。

この「心の支援」は、障がいを持つ方のみならず、我々も含めすべての方に共通する重要なものだとも実感しています。

ＮＰＯ法人Ｃｈｅｒｉは、任意団体として行ってきた活動をさらに多くの方が理解・実践できるようになり、加えて社会へ「心の支援」の重要性や技術を伝えていきたいと考えております。また、現在までの活動に加えて、居宅介護事業所や障害者福祉施設など、社会福祉に貢献できる活動を順次展開していく予定です。